意味を理解させるか?意識をすりかえるか?(言うことを全く聞かない子が小学校入試を突破するまでの親の奮闘記②)

はじめに

ペーパーテストの内容を日常生活の中に組み込むには・・・。

ペーパーテストの内容を日常生活に・・・ってのは分かったんですが。

そうですね。

一体どうしたら?

じゃあ、いくつか考えてみましょう!

おおまかな情報
担当期間・年齢・学年:幼稚園年中組~の親
地域:大阪府

ペーパーテストの内容を日常生活に?

講:じゃあ普段使っている問題集を出してきてください。
Kさん:どれがいいんですか?
講:どれも本質は同じなんで、そこに置いてあるのでいいですよ。
Kさん:「知識・常識」って分野のものですね。これでいいですか?
講:じゃあそれで検討しましょうか!適当に開いてみます・・・。
Kさん:「良い子の絵に○、悪い子の絵に×をつけましょう」って問題ですね・・・。講:どんな絵ですか?
Kさん:①駐車トラックの後ろで遊んでいる
    ②電車で年配の方に席をゆずる
    ③庭を掃除している
    ④玄関の靴を揃えずに家の中に入る
    ⑤歩道橋から物を落として遊んでいる
    ⑥公園で犬と遊んでいる
講:ま、もちろんどれが○でどれが×かは大丈夫ですよね・・・。
Kさん:大丈夫です。
講:ですよね。ただ、それは常識がしっかりとついているってことで・・・小さい頃から一つづつ学んでいきますよね。一体どうやって学んできましたか?
Kさん:覚えていないけど・・・きっと親から教わってきたんでしょうね・・・。
講:きっとそうですね。そういった過程を経ていれば、こういった問題もきちんと解けるわけですが、これをいきなりペーパーでやられてもねえ・・・。ってなりますよね。
Kさん:そっか。実生活の中できちんと学べているかどうかをペーパーテストで見ていると。
講:ま、そういうことですね。
Kさん:こういうのを日常生活の中で身に着けさせればいいと。
講:そのとおりです。もちろんペーパーでたくさん練習ってのもダメじゃないですが、日常生活の中で身についているほうが強いですよね。
Kさん:他の分野のテストではどうなんですか?
講:じゃあ検討してみましょう!

まずは問題を知ってみましょう!

講:では他の分野で検討してみましょうか!
Kさん:どれにします。
講:どれでもいいですよ。
Kさん:どれでもって・・・。ちょっと待ってくださいね。別の分野ですよね。
講:はい。
Kさん:じゃあ、コレ!「比較・数量」って分野にしてみます。適当に開いてみますね。「数の分割」ですって。「左のたべものを、右にいるお友だちにで仲良く同じ数に分けます。1人がもらう数だけ○を書きましょう」ですって。
講:じゃあコレを日常生活の中でやってみるとしたら、どんな方法が考えられますか?
Kさん:そうですね・・・。この問題ではアメを使ってますが、あの子、ギョウザが好きだから・・・。
講:なかなかシブいですな。
Kさん:そうなんですよ。
講:途切れさせてすみません。
Kさん:で、お友だちを家族に・・・。あ、いけますね。コレ。っていうかなんか楽しそうですね!
講:いいですね。入試で問われることはほぼありませんが、このときに一緒に数を数えるとかしながら、数も覚えられるようにすれば、なお効果的じゃないでしょうか?
Kさん:そういうことなんですね。他の問題についても日常生活に取り入れられるんですか?
講:はい。100%とはいえないですが、かなりの部分がこういった手法を使えると思います。
Kさん:全部って・・・かなり大変じゃないですか
講:ですよね。ですから、
①いくつかの問題を組み合わせて効率的にやっていく
②苦手分野のみにする
③まずはペーパーでやってから間違えたものについて
などの工夫を推奨しています。
Kさん:もう少し実例を教えてもらっていいですか?

というわけで、上記のいくつかの事例をやってみました。

求められているものって?

次回の訪問時・・・

Kさん:先生!なかなかうまくいってますよ!
講:それはよかったです。
Kさん:たしかにペーパーに向かう時は減りましたが、なんか内容の濃い勉強ができているような気がします。
講:そこなんですよね。実は・・・。勉強の成果って「時間×質×タイミング」だと考えているんです。だらだらと三時間勉強するくらいなら、しっかりと一時間のほうが結果が良かったりします。で、その一時間の質をいかに上げるかというお話をするのが私の役目で、質を上げる準備をするのが親、実行するのがお子さん。こういう三者が一体感をもって進んでいけるのが理想ですね。
Kさん:今なら、それがしっかりと納得できますし、実行できそうです。
講:その言葉を待っていました。小学校のページを見ているとよく、「ご家庭のサポートが・・・」とか書かれてあるでしょ。こういうことも指してるんでしょうね。これから先6年間に渡って、お子さんのサポートをしっかりとできますか?もう始めてますか?そういうメッセージだと思うんですよね。これが、高校や大学であれば、こういったことを書いている学校はほとんどありません。親のサポート範囲が小さくなり、本人の自立が求められますからね。
Kさん:つまり・・・うまく表現できないけど「いい家族であれ!」ということでしょうか?
講:表現できなくても、何かを掴んだようですし、それでいいですよ。

結局のところは・・・。

さらにしばらくして・・・
Kさん:先生!子どもの苦手分野がどんどん減ってきてる気がするんですけど!今まで、いくらやっても身につかなかったのに。
講:とてもいいことですよね。ペーパーの問題がきちんとイメージできるようになったというか、見えるようになったんだと思います。実際に日常生活の中で体験したこととのリンクができているんでしょう。
Kさん:そういえば、あの子もそんなこと言ってたような・・・。
講:じゃあ確実に見えてきてますね。勉強ってのは、最初は知的好奇心とか身近なところからスタートするんですね。で、小中高と進むにつれて、その身近なことのさらに細かい、つまり見えない部分がどうなっているんだろう・・・?につながっていくんですね。そうやって世の中の仕組みを学んで社会に出ていく・・・そういうつくりになっているんです。だから今は、日常生活にそういう視点をもつときであり、無理やりペーパーやらせて嫌いにさせているときじゃないんです。
Kさん:へえ・・・。そうなってるんですね。全体像から考えて、今やるべきこと。
講:そういう視点があれば、勉強を嫌いになりにくいし、そうであれば、この先もきちんと成長していくんではないかと。
Kさん:なんかすごいですね。なんか私も小学校くらいに戻って勉強をやり直したくなってきました。
講:ほう。戻るのはムリですが、勉強はできますよ!やってみますか!

というわけで、親子ともども勉強が始まっていくことになりました。

ここまでは(言うことを全く聞かない子が小学校入試を突破するまでの親の奮闘記②)でした。

次は

自然に勉強できる環境を作ってみませんか?(言うことを全く聞かない子が小学校入試を突破するまでの親の奮闘記③)

です。